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鈴木研究室の紹介

「新規重合反応の開拓」と「特殊構造高分子の合成と特性解析」を2本柱として研究に取り組んでいます。有機化学の知識を駆使して目的を達成し、高分子化学の新たな概念を創出することを目指します。

最近の主な研究テーマ

1)イオン性分子結晶の分子配置固定化による新次元構造高分子の合成とその特性解析(科学研究費補助金基盤研究C(平成21年度~23年度)採択)

モノマー結晶中でイオン結合を共有結合に変換することによって、高度網目状やカプセル状など多様なモルフォロジーを持ったポリマーを合成し、これまでになかった特性を持った高分子材料に繋げます。

2)2’-デオキシヌクレオシド誘導体をモノマーとする核酸類似ポリマーの合成とその特性解析

DNAの構成要素であり再生可能資源である、ヌクレオシドを新たなポリマーへと再構築して、新たな特性を付与し、核酸塩基対の強固な水素結合能に基づく特異性を活用します。

3)アミノ酸誘導体を触媒とする新規重付加反応

酵素のような触媒活性を持ったアミノ酸誘導体を触媒として用いる重合反応を開拓し、新しい光学活性高分子を合成します。

4)積層型クラウンエーテルからなるチューブ状ポリマーの合成とその特性解析

クラウンエーテルが連続して連なった特異な空間を構築し、その超分子的な特性を明らかにします。

これまでの主な研究テーマ

新しい固相重合反応の開拓

 化学反応は溶液中で行うのが通常ですが、固体状態でも反応が進行する場合があります。これらの反応では、溶液中での反応とは異なった生成物や選択性を与えたり、極端なときには固体状態でしか反応が起こらないことがあります。それを高分子の合成に用いたのが固相重合です。このプロジェクトでは、結晶状態のモノマーを溶媒を用いることなく重合させる新反応を発見し、その詳細を解明しようとするものです。必要に応じて、超分子的な考えに基づいてモノマーの結晶構造を改変し、それによって重合反応を制御したり、これまでできなかった新構造ポリマーの合成を目指します。平成14年度ー16年度にかけて文部科学省の科学研究費補助金基盤研究(C)(14550832)に採用していただきました。その企画申請書から研究の概要を示します。

 その研究成果を発展させ、現在は、以下の事柄について研究を行っています。

1-1.固相反応の進行の仕方について、ナノレベルでの解明(科学研究費補助金特定領域研究「極微構造反応」平成17年度-18年度)
1-2.糖類の固相ポリグリコシル化反応による多分岐多糖の合成
1-3.固相場を活用した高分子の構造制御

フェノール残基の反応特性を基盤とする特殊構造高分子の合成とその特異的性質の解明(科学研究費補助金基盤研究(C)(17550114)平成17年度-19年度)

 固相重合の研究から派生して来たプロジェクトです。フェノール残基の反応特性を利用して新たな構造を持ったポリマーの合成を目指しています。新しい機能の発現が期待されます。

2-1. 酸化カップリング重合による高分子チューブの合成
2-2. ビス(ヒドロキシメチル)フェノール類の重縮合反応

環状オリゴ糖の開環重合

 環状のオリゴ糖を「モノマー」として捉えることによって、ユニークな糖鎖高分子の新たな合成法を提起しようというプロジェクトです。環状オリゴ糖の代表としてこれまで主にシクロデキストリン誘導体について研究を行ってきています。平成11年度ー13年度にかけて文部科学省の科学研究費補助金基盤研究(C) (11650904)に採用していただきました。その報告書の冒頭から研究の概要を示します。現在も引き続き研究を行っています。

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