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松岡研究室の紹介

有機触媒による極性オレフィンの新規分子変換

環境低負荷型合成手法の開拓

 有機触媒(Organocatalyst)はその名の通り、有機元素のみから構成される触媒です。2000年のある研究を契機に学術会で飛躍的に研究開発が進んでいます。金属触媒に比べて環境低負荷、安定、構造設計を行いやすいなどの利点を持ちます。さらに有機触媒でしか達成できない反応も多数報告され、合成化学の新たな研究領域となりつつあります。本研究室ではカルベン(carbene)と呼ばれる分子を有機触媒として用いた合成化学を行っています。

 カルベンとは中心炭素が6電子のR2C:の構造で、高い反応性を持つ化学種です。カルベンは一般に安定性が非常に低いため、反応中間体としてのみ捕らえられてきた物質でした。しかし最近になり単離することができるカルベン(N-ヘテロ環状カルベン)が見出されました。これらは遷移金属錯体の配位子や有機触媒として非常に活発に用いられ、“カルベン化学”が大きく展開されてきています。それは、カルベン炭素が電荷としては中性であるにもかかわらず高い求核性を有し高活性であることに起因します。また、適切に分子設計することによりその立体的環境や電子供与性を自在に制御することができることも利点です。現在、N-ヘテロ環状カルベンは合成化学分野において最も注目すべき分子の1つであるといっても過言ではありません。

 本研究室では、N-ヘテロ環状カルベンの有機触媒作用を活用した合成化学を展開しています。これらの触媒の化学的特長を十分に発揮させることによって、新規有機反応や重合反応、二酸化炭素の固定化反応を開発します。既存の反応の改良や最適化は行いません。新しい有機反応を開発するところを起点に、それを高分子合成へと展開し有機材料開発へと結び付けられるような研究を目指しています。

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